ロツコンホテルは、バンコクでは出会えないシックなホテル
タイの地方都市を訪れた際には、バンコクのどこにでもあるような洋風ホテルではなく、一度タイ式のホテル、つまりローンレーム・バートタイに泊まりたいと考えていました。いわゆる、木賃宿や商人宿ではなくて。
確か2度目の東北タイ(イサーン)の中核都市コンケンへの旅で探し当てたのが、ここで紹介するタイ式ホテルのロツコンホテルだったのです。ロツコンホテルは、グランムアン通りとプラチャサモソン通りが交わる交差点の角地にありました。
ホテルの内部には落ち着いた色調の内装材を控え目に使用、屋根も含め全体がシックな味わいです。2階に上がった角部屋は客室係りの控え室になっていて、そこでは働く女性たちがカーペットにじかに横座りになり休憩しているなど、いかにもタイ風です。
タイ国軍の上級官僚が頻繁に利用するとかで、その日も軍服姿の客を散見することができました。
ロツコンホテル周辺は、のんびりした地方都市のたたずまい
ロツコンホテルに最初に泊まった際、近隣の散策を楽しもうとして、市場に向かう交差点を渡り切ったときです。車の急ブレーキ音に続き、けたたましい金属音が悲鳴をあげ、音の方向を振り向きました。
車道を目の前の歩道のそばまで、オートバイ共々中年のタイ女性が滑るように飛び込んできたのです。車はそのまま走り去って行きましたが、幸い女性にも怪我がなかった模様で、ぼそぼそと呟きオートバイを起こし、走らせていきました。
このときは流石に驚かせられましたが、コンケンという街自体は静かさの残った地方の中核都市のたたずまいで、バンコクなどと異なり車も少なく、のんびりした雰囲気が性に合っている印象でした。
コンケンの程よい街の様子と出会った控え目な人々
ホテルから歩いて7~8分のところにあるのが、タラード・ラチャパサデゥという街の市場です。どこの地方都市にもあるような市場で、働いている人々は、親しみ深く田舎に帰ったような気分です。
街の中心にはショッピングセンターがあり、バンコクの現地デパートに比べても遜色ない品揃えです。当時、鉄道のコンケン駅近くの踏切そばには、大型の民芸品店があり、民族楽器のケーンを買ったものでした。
ロツコンホテルで出会ったタイ人女性は、いずれも笑顔が素敵でそれでいて控え目なはにかみ屋ばかりでした。とくに、ホテルロビーのバーで輝きを放っていたのが、ノックという名の女子学生です。いくから褐色気味の肌色の美人ですが、原石のような美しさはいまも懐かしく思い出します。
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